データ復旧の現場を見学した後は、デジタル遺品セミナーで最新事情をお勉強します!
●2004年から2016年までの総務省の通信利用動向調査によると、50代以上のインターネットの利用率は確実に増加している
●日経生活モニターの調査によると、最近はデジタル遺品への関心が目立って高まっている
●世界的な情勢として、企業による個人情報の取扱は慎重になってきている
●キャッシュレス化の加速に伴い、スマホの財布としての価値がどんどん上がってくる
●デジタル遺品を取り巻く環境が急激に変化していくが、制度や取り決めが追いついていない部分も多々あるので、問題が深刻化していく可能性がある
Q. スマホとかパソコンに対する依存度っていうのがどんどん上がり続ける?
A. 個人の意志とは関係なく、世の中の流れがそうなっていくと思われる
Q. スマホの価値がどんどん上がるなら、スマホメーカーや通信キャリアが、遺品に関してもフォローをしなければならないという事にならないか?
A. 現時点ではメーカーやキャリアは、端末の中身に関してはノータッチ。初期化に関してはフォローしてくれるが、中身を取り出すという作業に関しては、一切関わらない。パソコン業界も同じスタンスだったので、しばらくは変化がないと思われる
●DDSの事業内容(データ復旧だけではなく、5つのサービスがある)
●データ復旧事業は11年連続売上シェア日本トップクラス
(さらに2位の会社とは4倍の開きがある!)
●データ復旧平均単価は約23万円
●データ復旧の例について
法人の場合:
病院のカルテなど、一棟まるまるの共有サーバが飛んでしまった。そのカルテデータがないと手術ができないという状況の依頼があった。
個人の場合:
子供の成長記録データの復旧依頼がとても多い。
Q. 個人法人の割合はどれくらいですか?
A. 個人7割、法人3割ほどだが、売上の比率は法人の方が少し伸びると思われる。会社のデータを個人名でご予約されるという事もある。
●浮気調査の目的で依頼される場合もある。証拠を探し出すというよりも、パスワード解析での依頼が多い。その他、ストーカーや家出の調査目的での依頼もあったりする。
Q. パスワードを解析だけだといくらぐらいなんですか
A. 機種やOS、バージョンによってピンキリなので一概には何とも言えない
Q. 浮気調査などでは、どういったデータを調べて貰えるんですか?
A. 行動履歴やGPS情報など、依頼者の希望によって様々だが、現状はパスワード解析依頼が多い
●警察からの依頼に携わり、感謝状をいただいた。
●企業のシステムにセキュリティホールがないかをチェックするために攻撃的ハッキング確認(ホワイトハッキング)を行うサービスも新規事業で立ち上がっている。船舶や自動車、ドローンなどが対象となってくると思われる。
【デジタル遺品関連の成功事例】
●デジタル遺品サービスがスタート後1年2ヶ月で387件のご依頼があった。
●端末の種類としては、圧倒的にスマホが多いが、ガラケーもたまにある
Q. ガラケーとスマホってどちらの方が復旧が難しい?
A. ガラケーは場合によっては筐体ごと復旧しなければならないので、パーツが売られていないくらい古いものだと難しい
●裁判で使用する可能性がある、遺言の動画をスマホで撮影していたデータを取り出したい
●亡くなった親族が仮想通貨取引をやっていたのでスマホのロックを解除したい
(遺品とは関係なく、仮想通貨の相談件数は増加している)
●葬儀の案内をするために、連絡先や思い出の写真を取り出したい
(トラブル関連の依頼も多いが、思い出を復旧したいという旨の相談も多い)
●経営者であった父のスマホに仕事のデータが多数入っている。業務に支障が出ているので早急に確認したい
●浮気の真相を知りたい
(遺品とは関係なく、浮気の相談件数は月間100件以上ある!)
●家族が自殺をしてしまい、職場でのパワハラなどの証拠集めの一環としてロック解除が必要
●会社内にて、役員が情報を持ち出した。トラブルに関連する履歴を確かめたい
●亡くなった方の仲間でカンパしてデータを取り出し、ご両親に渡したい
●家族が緊急手術の末亡くなった。何か兆候がなかったか明らかにするため、スマホから手がかりが欲しい
●スマホの機種やOSが新しくなるとセキュリティが厳しくなるので、復旧が難しくなってくる
Q. スマホを下取りに出す際に、リセットして出したが、本当に安全?初期化したら次の持ち主に見られる危険性はある?
A. iPhoneは比較的安全。なので初期化されたiPhoneの復旧は難しい
●最近のスマホには自動でアップデートする機能があるので、気づかないうちにアップデートしないように遺族は気をつけた方がいい。
Q. 遺族は故人のスマホをオフラインにしておいた方がいい?
A. 無理して触らず、機内モードなどにしておいて、業者に任せた方がいいと思われる
●故人の年齢は [10〜40代]:[50代以上]=7割以上:3割未満
※若年層の方が多い
●今後の課題
・年配者に対して「デジタル遺品サービス」の認知度を上げていく必要がある。
・資産や遺品を多く持っている50代以上の人達が知らなければならない。
さらに色んなお話を伺うため、次回はDDSの内部の方にインタビューする事になりました。
次の更新をお楽しみに!