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 2018.09.13デジタル遺品研究会ルクシーの古田さんに突撃インタビュー!(その4)【あぁ〜ナットク!!】

前回の続きです。
ラストの問題!「デジタル遺品は半永久的に残る。」の答えは…

デジタルデータは半永久!?

   
これは、「正」でいいでしょ!
   
正解は…
  
「正」でもあり「誤」でもある。(ニヤリ)

   
汚い!だましたな!?
キーーーッ!!
   
これは公演の時も来場者はみんな「えっ?」って感じででした。
デジタルという特性から、当然半永久に残るものだとばかり思ってました。
   
そうだそうだっ!
インチキだっ!金返せっ!
   
あなた別に何も払ってないでしょ。
古田さん、この辺りを解説していただけますか?
  
はい。しらきさんはスマホを持っていると思うんですが。
   
ええ、もちろん。
  
10年後も同じスマホを使っていると思いますか?

   
いや〜、さすがに10年は…
  
だいたい、2〜3年で新しいものに買い替えますよね?
データもそれに伴って全て移行しているとは限らないんです。
   
あ〜、確かにそうだ。
  
パソコンだって、10年後も同じように使えているとは限らなくて、OSというパソコンの基本ソフトもいつかサポートが終わります。
さらに物理的な接続の形(インターフェース)やメディア自体の規格が古くなって見る方法がなくなるという問題もあります。
   

いんたーふぇーす。。めでぃあ?

マスメディア?

 

  
例えば、フロッピーとかって、今はもう…
   
使われてない!(笑)
そう言えば、「ちゃんと残してるからいつでも見れるし大丈夫」だと思ってても、
VHSとか古くてもう使えないとかありますよね。
新しいテレビに繋げ方が分からないとか。
  
それこそ、ベータを残している人もいて、見たいけどデッキがない(笑)
   
デッキがないみたいな時ありますね〜
  
あと、カセットとか、CDはまだいけるけど、8cmのシングルはダメとか。
PCだとMOなんてものもありました。
   
今だと MD がもう危険ですもんね。(笑)
そういうのが使えなくなっちゃうってことですね
  
だからよっぽど紙の方が、実は寿命が長かったりするんですよ。
媒体としては。

   
ああ、確かに。そうかもしれない…
  
自分の祖父母の若い頃の写真って、たまにアルバムから出てくるじゃないですか。
あれって100年以上前ってこともありますよね?
普通に色あせてはいるけれども、「ああこれはおじいちゃんね」といった感じで
判別できるぐらいには残っているっていう意味では、紙の方がはるかに長寿ですよね?
   
えー、なんか意外。
そう言われたら確かにそうだ。
  
アナログに比べて、デジタルって先ほどのような理由で残らない事も意外とあります
その一方で、例えばブログで犯罪自慢した人が、突然何かの拍子で亡くなったとします。そこに家族の写真ですイエーみたいな感じで、自宅の写ってる写真とかも残してたら、電信柱とかを元に住所特定できるじゃないですか?そうなると「こいつ炎上して死にやがった」ってみんな面白がってコピペして一気に広まります
   
広まりますね。
  
そうなると、もう完全に抹消する事はとても難しい
というパターンで半永久に残ることもある。
   
芸能人の、なんか若い時に出てたアダルトビデオの出演とか、それは全然アリですかね?
その人が有名になって、その後事務所がビデオを回収したりとか、そういう話聞きますもんね??

   
何を言っているんですか。
今のは聞かなかった事にして、有限であるモノの場合は回収し続ければいつか終わりがありますけど、
デジタルデータだったら、転載に転載されて回収しようがないっていうことですかね?
  
そうですね。
そういうのってやっぱり嫌じゃないですか。だから【忘れられる権利】というものが最近ヨーロッパから広まりつつあります

   
忘れられる権利?
芸人としては嫌な響きですね。
  
つまり何かしらの広められたくない過去(情報)っていうのを、ネット上から削除したいんだという旨をGoogleとかに申請すれば
Googleの検索ワードからなるべく関連性を外すとか、そういう措置をとってもらう。そういう権利のことですね。
とは言っても、完璧じゃないので、100%根絶するのはなかなか難しいです。
   
そうなんですね〜。
   
長くなりましたが、問題「デジタル遺品は半永久的に残る。」
の答えである「正」と「誤」については…
   

ナットクしました!

じゃあデータの管理ってどうすればいいの!?

 

   
では、具体的なデータの管理の仕方について伺いたいのですが、
残したいデータ、消えたら困るデータの管理ってどうしたらよろしいのでしょうか?
  
まず最初に、残しておきたい期間を考えますと、例えば一周忌、三回忌、四回忌・・・という法事は三十三回忌や五十回忌あたりまでいけばいいほうだったりします。30~50年くらいですね。
それくらいの寿命で残しておきたいのでしたら、定期的にバックアップする事です。
家族の思い出のデータなど、遺品として残したいデータが入っているパソコンから(その思い出のパソコンはもちろん残しとけばいいんですけども)外付けハードディスクなどにコピーしてしまう。

   
データを移しとけと。
  
パソコンとハードディスク、壊れていない状態で4〜5年経過したら、また新しいハードディスクにデータを移す
だいたいハードディスクって5年くらいで更新した方がいいので、そうやって新しいものに受け継いでいく。
   
ハードディスクって寿命とかあるんですか?
  
ええ、色んな種類があるので一概に言えないのですが、耐久の上限はあると言われています。
あとは、写真データなどでしたら、いっそのこと紙に出力してアルバムに残すとか。
   
ナルホド。
何をどう残すかは、ちゃんと判断しなきゃいけない!ってことなんですかね?
  
そうですね。
今は、ハードディスクのデータ容量って、数TB(テラバイト)という、とても大きなものを個人が持ってたりするので、その全てを丸々引きついでいくっていうのは結構しんどいと思うんですが…

   
ちゃんと選別をするってことですかね?
これは要る要らないって感じで。
  
そうですね、ちょっと落ち着いた頃に見るとか。
例えば、一周忌の頃に振り返って、「この写真いいよね」とかで選別していく。連写の写真とか残ってても、その20枚中1枚くらいベストがあったら、19枚はどうでもいいじゃないですか。
   
確かに。おじいちゃんの連続写真とかはそんなに要らない。(笑)
  
データが多い場合は、そんな感じで切り分けるといいかもしれません。
   
ベストショットは残しときたいですね。
最近は遺影なんかも先に撮っちゃうみたいなのもありますもんね?
私も残しとこうかな。
顔を入れ替えるアプリで、佐々木希さんとかと入れ替えて、データ保管しとこかな。
   
それは詐欺です!

しらきさんが謎の決意表明をしたところで、クイズの答え合せは終了です。 みなさん、デジタル遺品の誤解は解けましたでしょうか? 次回は、古田さんが何故この仕事に関わるようになったのか、そのあたりをお伺いします。次回最終回!

古田 雄介さんプロフィール
名古屋工業大学卒業後に上京し、建築系現場監督と葬儀社スタッフを経て、2016年8月に一般社団法人デジタル遺品研究会ルクシー(LxxE)を共同設立。デジタル遺品の適正な取り扱い方についての研究と普及活動に携わる。

▼ルクシーの公式サイト
https://www.lxxe.jp
▼Twitter
https://twitter.com/yskfuruta

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