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デジタル遺品とは

デジタル遺品は未整備の世界

デジタル機器とインターネットの普及で、世の中はどんどん便利になっています。
写真を撮ったら現像に出すこともなくその場で閲覧できますし、仕事の書類が膨大にたまっても作業机を圧迫することなくハードディスクのなかに収まってくれます。
数年前に書いた日記も、断片的なキーワードで検索にかければすぐに見つかります。

しかし、普及に伴って、亡くなったあとの行く末も整備されてきたかといえば、必ずしもそうではありません。
上場企業や国際的な大企業が提供するサービスであっても、持ち主が亡くなったあとのことはほとんど白紙ということも往々にしてあります。
いつかはきちんと整備されるかもしれませんが、それまでは自分たちで準備したり整理したりしなければなりません。


デジタル終活について

今や「終活」という言葉はほとんどの方が知っていますが、デジタル遺品の整理をする「デジタル終活」という言葉の認知度はとても低く、ほとんどの方が何の準備もしていないと思われます。
「デジタル終活」をしていなかったために死後起きるであろう悲劇を減らすために活動している団体も増えてきていますがまだまだ足りません。

団体・協会

日本デジタル終活教会

デジタル遺品に関する問題を「デジタル終活の普及」を通じて解決し、「相続で苦しめられる人が0になる」社会の実現を目的とした団体です。
弊社もお世話になっている伊勢田弁護士が代表理事をされています。

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デジタル遺品研究会(ルクシー)

デジタル遺品(資産)の正しい取り扱い方を調査・発信する組織です。
このホームページでも度々取り上げている「ここが知りたい デジタル遺品」の著者である古田雄介さんが理事をされています。

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書籍

ホームページではデジタル終活に関する全てをお伝えすることはできませんので書籍でも情報収集されることをお勧めします。
※このホームページではデジタル遺品の草分け的存在で早くからデジタル遺品に取り組んでこられた古田雄介さんのご厚意により、 これまで執筆された書籍や記事から本文や図を使用させていただいています。

ここが知りたいデジタル遺品

古田雄介 (著)

内容(「BOOK」データベースより)
デジタル遺品にはどんなものがあり、どんなリスクをはらむのか。遺族として何をすべきか、何ができるのか。 本人は生前にどんな準備ができるか。 重要性が高まりつつあるデジタル遺品とデジタル資産について、わかりやすく1冊にまとめました。

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故人サイト

古田雄介 (著)

内容(「BOOK」データベースより)
更新直後に殺害・ツイート直後に事故死。リアルタイム闘病記録・自殺実況中継・ファン巡礼慰霊碑サイト。 それは遺書なのか、あるいはダイイングメッセージなのか!?漂い続けるネット墓標を徹底調査!!

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「デジタル遺品」が危ない

萩原 栄幸 (著)

内容(「BOOK」データベースより)
高齢者のパソコン利用率上昇に伴い、急増する「デジタル遺品」トラブル。 パソコンやスマホの中の写真・文章、ブログ・SNS、ネット上の金銭取引、パスワードなどを、管理が甘いまま亡くなると家族に多大な負担がかかるのだ。 終活の盲点となっている、デジタル遺品整理法の決定版。

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デジタル遺品を放置すると・・・

デジタル遺品の事例をご紹介します。

【事例1】思い出の写真に二度と触れられなくなった

(60代女性)

60代の女性からの相談でした。
急死した旦那さんのスマートフォンのパスワードがわからず、ロックが開けないで困っているとのこと。
亡くなる前に家族で訪れた旅行先の写真は、そのスマートフォンのなかにしか入っておらず、家族で笑いあった最後の写真をどうにかして見たいといいます。
しかし、相談に来られた時点でスマートフォンはすでに工場から出荷されたときの状態になっていて、復旧がほぼ不可能でした。
女性は家族の誕生日やペットの名前など、思いつく限りのパスワードを入力してロック解除にチャレンジしたといいます。
機種によっては、パスワード入力のミスが一定以上連続すると「中身を消去する=工場出荷時に戻す」設定になるのですが、旦那さんのスマートフォンはまさにその状態でした。
試したパスワードは上限を超えており、最後の家族写真はすでに失われていたのです。

(書籍「デジタル遺品」より)

【事例2】FX口座の存在がいつまで経ってもわからない

(50代女性)

これも旦那さんを突然亡くされた女性からの相談でした。
50代の方でしたが、こちらの方は旦那さんが残されたパソコンにアクセスできたため、スマートフォンは開けなかったものの、おおよその内容がつかめたそうです。
ただ、生前に旦那さんが話されていた「FXやってみようかな」という言葉が記憶にこびりついてとれないといいます。
FXは外国為替証拠金取引の略で、為替変動の差額で収益が得られるタイプの金融商品です。
少ない元手で大きく稼げる反面、予想、と逆の動きが来たら元手を大きく越える負債を背負うリスクもあります。
大きな負債を抱えたまま本人が亡くなってしまったら、その連絡は遺族に行きます。
滅多に発生しないことですが、しくみ上はゼロとはいえません。
その不安を打ち消すため、旦那さんがFXをやっていなかった(あるいはやっていた)証拠を突き止めたいとのことでした。
これは至難の業です。
ひとまずは、残されている郵送物や電子メールのなかからFX口座を取り扱っている金融機関のものを探し、インターネットの閲覧履歴からFX口座のページにアクセスした痕跡を調べるようにアドバイスしました。
その結果、一切の証拠が出なかったそうです。
しかし、それはFXをやっていなかったという決定的な証拠にはなりません。
へそくり感覚でこっそり運用するなら、本人がこまめに痕跡を消すことはよくありますし、開けられずにいるスマートフォンが取引の舞台になっているのかもしれません。
疑惑を持ち出したら切りがなく、まさに悪魔の証明となります。
最終的に、最善を尽くしたことと、没後3か月経っても金融機関からの連絡が届いていないことから納得された様子でした。
しかし、それは不安との折り合いがついたのであって、解消したわけではありません。
かすかに残った不安は心の底に長く居座ることもあります。

(書籍「デジタル遺品」より)

【事例3】800万円の預金がパソコンの雇歴から発覚

(40代男性の兄)

これは解決できた事例ですが、自死された40代男性の兄にあたる方からの相談でした。
20年近く連絡を取っていなかったので、男性の交友関係や資産状況がわからず、残されたパソコンと携帯電話からできるかぎりのことを調べたいとおっしゃいます。
幸いなことに、パソコンの取扱説明書と一緒に保管されていたインターネット契約の書類にパスワードらしきメモが見つかったということで、中身を調べることができました。
携帯電話も市販ソフトによってロックが解除できたといいます。
そうして判明したのは、ネット銀行の口座におよそ800万円の預金を残していることでした。
紙の預金通帳が見つからなかったため、ネット口座で一元管理しているのではと予想されていましたが、案の定でした。
所定の手続きを経て、遺品整理や葬儀費用などに当てることができたそうです。
また、携帯電話の履歴から亡くなる半年前まで交流のあった方も判明し、その方からフェイスブックページの存在も教えてもらい、訃報を掲載できたとも話されていました。

(書籍「デジタル遺品」より)

【事例4】成人向けイラストの投稿サイトを隠したい

(30代男性)

一方で、デジタル資産を持っているご本人からの相談を受けることもあります。
ルクシーのサイトを通してではなく、セミナー後に口頭で聞かれたのですが、30代の男性でした。
インターネットにあるイラスト共有サイトで、成人向けの作品を発表しているとのことで、万が一のことがあっても、家族や現実につながりのある知人など誰にも知られたくないといいます。
そのサイトに気づかないようにするなら、ブックマークを消してアクセス履歴も消去するなどの措置が有効ですが、そうすると日頃の利用に不便や面倒が生じるでしょう。
また、サイトには作品を投稿しているわけですから、パソコン、あるいはスマートフォンやタブレットには、成人向けイラストの本体や習作、下書きなどが大量にあるはずで、それらも処理しないといけません。
関連する性的な検索ワードやページの閲覧履歴などもインターネットブラウザーにたくさん記録されていることでしょう。
アクシデントはいつどういう形で襲ってくるかわかりません。
そして、隠したい証拠はデジタルの持ち物のなかに散らばっています。
この状態で、あなたならどんな手を打ちますか?

(書籍「デジタル遺品」より)

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